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今月の熊G 2026年4月

  • piyo-kamakura
  • 4月14日
  • 読了時間: 3分

老兵士:「女王様!褒美を約束してはいけません。ただお願いするだけでいいのです。」

博士:「そうでございます、女王様。娘が欲しいのはお金ではないのです。ありがとうという言葉だけなのです。」

3月30日に卒園児と職員がみんなで演じたピヨ版「森は生きている」に熊Gも役をもらった。若い女王の教育係である博士の役だ。劇の最後の場面で、雪で閉ざされた森からソリで帰ろうとする娘に、女王が自分も乗せろと言う。そうすれば褒美を約束すると言って。すると老兵士が褒美を約束しないようにと直訴する。なぜ褒美を約束してはいけないのか。

わがままな女王はこれまで権力とお金で人を思うままに動かしてきた。4月にならなければ咲かないマツユキ草の花を大晦日に持ってくればカゴいっぱいの金貨を与えるというおふれを出したのもそのひとつ。お金に目がくらんだ親子がまま子の娘を森へ花を探しに行かせる。お金で人は動くと思う女王と森の精との約束を守ろうとする娘との心のぶつかり合いの物語である。

冒頭に書いた2つのセリフのうち博士の言葉は、実は原作にも台本にもない。熊Gが勝手に作った。なぜってこれがこの話の主題だと思うから。でも原作者は主題だからこそあえてセリフにしないで、読者や観客の気づきに期待したのだろう。それはそうなんだけど、熊Gは子どもたちにこの物語の意味をわかってもらいたいから余計なお世話を承知でこの説明的なセリフをしゃべることにした。

でもやっぱりやめた。人は気づきが大切だと常々言ってるんだから、原作通りにして子どもたちの感受性を信じることにした。

ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞にこんなフレーズがある。

imagine no possessions 

I wonder if you can

(財産など持たない、なんてことができるかい。君になら、きっとできると思うんだ)

ジョンはお金によって買えるものを手放そう、そんなもの欲しがるのをやめよう、そうすれば世界は平和になるって歌ってる。

いやいや、ビートルズの印税で何の不自由もない人が言ったって説得力ないし。誰だってお金持ちになって欲しいものを手に入れたい。お金持ちじゃなくてもせめて死ぬまで生活に心配しなくていいくらい豊かになりたい。そう思うのが普通だ。

でも一方で、お金があれば幸せなのか?とも思う。幸せってどういうことだ?

例えば誰かに「私のためにがんばってくれてありがとう」と言われたらうれしい。

好きな人に「君と会えてよかった」と言われたら幸せな気持ちになる。

子どもが初めて「ママ」って呼んでくれたとき、ものすごくうれしいはず。

こうした幸せは人と人とのつながりの中にあって相手に自分を認めてもらうことで自己肯定感を感じて幸せな気持ちになる。お金じゃ買えない幸せだ。反対に人から無視されたり、軽んじられたりすると悲しくなる。承認欲求が満たされず、悲惨な事件に至ってしまうこともある。

女王は親の愛を知らずに幼くして女王になった。ずっとわがままだった。それは自分が女王という肩書でしか人から見られていないむなしさを埋めるために、必死に自己主張していた姿だった。心の深層で本当の私を見て欲しいと願っていたのだ。

劇の最後で、やっと女王は権力もお金も手放した生身の一人の人間として娘から認めてもらうことができたのだ。まるで保育園で子どもたちが、ボクもいれてー、いいよー、と認め合うみたいに。

***

新年度になりました。進級、そして入園おめでとうございます。ピヨが子どもも大人も認め合える保育園でありますように。

ところで熊Gが好きな忌野清志郎のバンドのデビューアルバム『初期のRCサクセション』の8曲目に『この世は金さ』という曲が入っていますが、次の9曲目は『金もうけのために生まれたんじゃないぜ』という曲なのでございます、女王様。

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