今月の熊G 2026年3月
- piyo-kamakura
- 3月12日
- 読了時間: 4分
渋谷のユーロスペースという映画館をご存知だろうか。東急百貨店本店近くのラブホテルが立ち並ぶ一角にある小さなシアターである。先日そこに映画を観に行ったのだが道がわからなくてスマホを確認しながらたどり着いた。実は学生時代、何度かユーロスペースで映画を観た。でもその頃は同じ渋谷でも反対側の南口を出て246を渡った裏町にあった。調べてみたら2006年に移転していた。熊Gが行っていたのは1980年代のことだ。当時、渋谷からほど近い三軒茶屋のアパートに住んでいた。ある日、ユーロで話題の映画を上映しているというので原チャリで観に行った。「ゆきゆきて、神軍」というドキュメンタリー映画だった。太平洋戦争に従軍して生き残った兵士が、戦後に軍隊で上官だった人たちをある目的で訪ねて回る話なんだが、それはすさまじい内容で、観終わって映画館を出る時、頭はクラクラ、足はガクガクしていて、スクーターにまたがって発進した途端、電柱に激突してフロントフェンダーを割ってしまった。
そんな思い出の映画館なんだが、移転してから初めて行った。子どもが生まれてから映画を観る機会はほとんどなかったので。だって小さい子連れて映画館に入れないし、就学後も休日は子どもと釣りだったし。
何十年かぶりにユーロスペースで観た映画もまたドキュメンタリーだった。その作品も元兵士にまつわる話で元上官も出てきた。ただし場所はアフリカで、兵士は子どもだった。女の子もいた。ある日突然反政府軍に誘拐された子どもたちは銃を持たされて人殺しをさせられ心に傷を負う。しかし日本のNPOの助けで戦場から戻ってくることができた子らもいて、彼らが社会復帰していく姿が描かれていた。まわりの人たちの偏見に耐えて生きていこうとする。
テーマとしては反戦映画なんだろうけど、ウガンダという中央アフリカの土地の風景やそこで暮らす人々の様子も見ることができるし、彼らの文化もわかって興味深い。例えば、結婚するには新郎の家から嫁の家に贈り物をしないといけない。日本の結納と同じだが、アフリカでは牛を贈るらしい。でも最近は牛も少ないのか現金を渡していたが、もらう方がこれじゃヤギ一頭分だと文句を言っていた。家を建てることになったのでどうするのかと思ったら土とレンガを交互に積み上げてあっという間に作ってしまった。
戦場から戻ってきた元子ども兵士は通えなかった学校の勉強をしなおし、手に職をつけるために木工やミシンの訓練を受ける。テーブルや棚を作ったりドレスを縫ったりするが、その目はとても真剣だ。彼らは技術を習得したら「ビジネス」をはじめるつもりで、それはつまり自分の店を持つということだ。雇用してくれる企業なんてないから自分で商売するわけだ。だから何のために訓練しているのかという理由がはっきり見えている。なんで勉強しなきゃいけないんですかーというどこかの国の子どもと全然ちがう。
アフリカらしくドンドコドンドコ太鼓を叩いてみんなで踊るシーンも出てくる。長老みたいな人が隣国のコンゴからきた嫁を村人に紹介するとき、部族は違うけど同じ踊りが踊れるぞと言ったらみんな納得していておかしかった。
実はこの映画はピヨの調理の人から教えてもらった。映画の中で子ども兵士たちを戻して訓練する活動をしているNPO法人の人と友だちなんだって。映画のタイトルは「リターニーズ」。戻った人たちという意味だが、戦闘から逃れたあとも元子ども兵士たちは心理的後遺症とか居場所がないことなどでハンデを負って生きていかなければならない。世界で紛争が広がっているが、ピヨの子どもたちがそんな目に遭わないように祈りたい。
そういえば数年前までピヨでは毎年アフリカの太鼓イベントをやってたよね。パーカッションやダンサーや長い笛が入る年もあった。あの人たちはいまどうしてるんだろう。熊Gはアフリカのリズムが大好きなんだけどな。「アタマ!カタ!コシ!コシ!コシ!」で子どもたちといっしょに踊ったっけ。
部族は違うけど同じ踊りが踊れるよ!リターンして来て!

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