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今月の熊G  2025年10月

  • piyo-kamakura
  • 2025年12月12日
  • 読了時間: 4分

熊Gが子どもの時に読んだ世界の発明家たちを書いた本に、電球を発明したエジソンや缶詰を考案したアペールらとともにダイナマイトの発明者としてアルフレド・ノーベルがのっていた。爆薬を世界中の軍隊に売って大金持ちになり、そのお金を基にノーベル賞をつくった人だった。

先週、そのノーベル平和賞が日本被団協に授与された。おめでとうございます。核兵器廃絶のために活動し続けてきた被爆者の団体。その団体名はよく知らなくても1982年に国連本部で演説した「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ヒバクシャ」という言葉は聞いたことがあるだろう。被爆した生存者たちの団体だから、全員が核兵器の恐ろしさ、悲惨さを体感しているわけだ。残念ながら熊Gはその方々が語る体験談を直接聞いたことはない。核兵器の怖さは「はだしのゲン」や広島の平和資料館の展示などで間接的に知った。小学生の時に読んだ「はだしのゲン」の、はがれた皮膚が海藻のように垂れ下がり「みずをくれー」といいながらさまよっている被爆者たちの絵はいまも忘れられない。絶対そんな目にあいたくないと思った。

大人になってから、どうしてヒロシマやナガサキでそういうことが起きたんだろうと考えた。もちろんアメリカ軍が原爆を投下したからだけど、ではなぜ日本はアメリカと戦争になったのか?日本軍が真珠湾攻撃で開戦したから。それはなんのため?アメリカが日本に石油の輸入をできなくしたから。なぜ石油が必要だったのか?日本軍が中国との戦争を続けるため。なぜ中国と戦争していたのか?満洲国を作って日本が中国を侵略していたから。なぜ侵略したのか?領土を広げて資源を獲得したいから。つまり、植民地を作って豊かで強い国になりたいから他国を侵略し、最後は原爆を投下され敗戦になった。熊Gの考えはそういう結論に至った。

自業自得だから原爆投下は仕方ないと言いたいのではない。あんな目には絶対誰もあわせてはいけない。そうではなくて、始まったらどちらもが被害者にもなり加害者にもなるのが戦争なのだと言いたい。原爆の被害者の多くはその4年前には真珠湾攻撃大成功の号外を喜んで受け取ったはずで、ある意味戦争への間接的な協力者、すなわち加害者だったと言える。そう言うと、いや戦時下の国民は軍部にコントロールされて戦争に協力させられていただけで、本当は戦争は嫌だったのだと言う声が聞こえてきそうだ。

その通りかもしれない。だとしたら今度こそコントロールされる前にその流れを止めなくては。そのためにも(ピヨで子どもたちに要求しているように)自分で考えて疑問を持つ人になりたい。みんなが言ってるからそうに違いないという思考停止に陥らずに。例えば、もうすぐ中国が日本に攻めてくるってハナシ、本当か?

 

戦争に至らないためのもっともシンプルな方法は兵器をなくすこと。日本被団協のノーベル賞の受賞理由は被曝者の記憶を後の世代や他の国の人たちに伝え続けてきたから。なぜ伝え続けてきたかといえば、世界から核兵器をなくすため。数年前に同じくノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領やICANと目的は同じだ。だれも予想していなかった今回の被団協の平和賞を決めたノーベル委員会のヨルゲン・フリドネス代表は、核兵器の廃絶は非現実的だと思いませんかという質問にこう答えている。「核兵器に依存する世界で文明が生き残れると考える方がよほど非現実的ですよ」と。つまり、核抑止論は「おそらく敵も核戦争にしたくないから核兵器を使わないはずだ」という思い込みで成り立っている不確実な理論なので、権限を持つだれかの一時の感情による判断力の錯誤で文明は壊滅してしまう危険性があるということだ。

熊Gに言わせれば保育園児が丸太の一本橋を渡り続けているような不確実さだ。落ちたらワニに食べられちゃう。文明を存続させるためには一刻も早くそんな橋から人類を降ろさなくちゃいけない。みんながそう思うようになるために被爆者の記憶を世界中の人に伝える必要があり、そこに今回のノーベル平和賞の意味がある。

熊倉洋介

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